ささやかな言の葉たちよ、どうか





『A small,good thing』
 ささやかだけれど、大切なこと



 ありがとう。
 あなたに会えた、そのことが
 ただひとつの幸せでした









 なんの疑問も持たずに幸福を噛み締めることができるほど
 自分が無防備な人間だとは思っていなかったのだけれど
 君が僕の名前を呼ぶ
 それを疑うことができるほどには、気が利く人間じゃないということがわかったよ

 ねえ、これって間違ってるかな?









 もし、あたしがあともう一言しか君に語れなくなったとしたら
 どんな言葉を語ろうか?

 ありがとう
 ごめんなさい
 うれしい
 忘れないで
 さようなら

 あいしてる


 どれかなぁ?









 最初から何も無かった僕が、一の現実を手に入れた
 それ以上がなく
 それ以下もない








 陰気でも陽気でもないから、陰気にも陽気にもなれる
 大人でも子供でもないから、大人にも子供にもなれる
 天才でも白痴でもないから、天才にも白痴にもなれる
 天使でも悪魔でもないから、天使にも悪魔にもなれる
 
 ねえ、どの私が好き?








 ただ一言の言葉を伝える勇気がなくて
 真っ直ぐ進むのが怖くて
 すべてのタイミングを見失う
 だから、せめて今は俺の変な表情を見て笑ってくれればいいと思う
 笑ってくれさえすれば、いい








 ふつうのこと
 ふつうじゃないこと
 ふつうになってきたこと
 ふつうとはおもえないこと
 ふつうだとおもいつづけてきたこと

 わからなくなったら、貴方を見る。それが私のノーマリティ









 フワフワした気持ちで、何となく見上げた東の空
 丸くて大きな月があった
 ゆうべなかなか眠りにつけなかったのは、たぶん、月と君のせい









 おやすみ
 また明日、ね











 喜びも
 幸せも
 痛みも
 悲しみも
 苦しみも
 笑顔も
 涙も
 希望も
 絶望も

 カラダだけじゃ足りない
 ココロだけでも足りない
 全てを奪い、堕ちていく











 夢の中でも、逢えますように――